RPAコラムRPA-COLUMN
RPA導入の流れによる、メリット・デメリット
こんにちは。中小企業RPA研究会です。
今回はRPA導入の流れによる、メリット・デメリットについてご説明させて頂きます。
RPAによる業務自動化を実現するためには、基本的に下記のステップが必要になります。
- 自動化業務の選定(優先順位決め)
- 自動化フローの構築
- シナリオ作成
- テスト運用&エラー修正
これらのステップをどんな人数・規模・スピード感で進めていくのか
様々な方法がありますが、弊社クライアントの事例をもとにいくつかにパターン分けをしましたのでご紹介いたします。
1人のスタッフにRPA専任になってもらう
- メリット:開発スピードが速い
- デメリット:属人化してしまう
RPA担当者を1人たてて、RPAのプロフェッショナルになってもらい、シナリオ作成に集中してもらう方法になります。
1人で進めていくので自動化実現までのスピードは速いですが、1人の担当者に完全に依存してしまう事になります。
自動化実現後に担当者を徐々に増やしていく、シナリオの解説書をExcelやパワーポイントで作成しておくなど、複数人でRPAを扱えるような対策をとっておく必要があります。
複数人のチームを作って進めていく
- メリット:複数人でRPAが扱える、質の高いシナリオができる
- デメリット:開発スピードが落ちる
1つ目とは違い、1人ではなく複数人にRPA担当になってもらいチームで進めていく方法です。
メリットはRPAを扱える人数が増えるので、もしトラブルがあっても迅速な対応ができる点になります。
またチームで意見を出し合いながら進めるので、より効率的な業務フローを構築することができ、結果的に質の高いシナリオ作成につながります。
ただ、チームで意見を出し合い進めていく分、1人で進めるより実現のスピードが落ちてしまいます。
1つの部署で導入し、効果を出した後に全体に普及
- メリット:全社的に業務効率化を推進できる
- デメリット:最初の自動化が失敗してしまうとRPA導入自体が難しくなってしまう可能性
新しいシステム等を導入し、今までと業務のやり方が変化する事に対して抵抗感のある従業員も少なくないかと思います。
「自分の仕事がなくなってしまうのではないか」という不安から、業務自動化に否定的になってしまい、協力しない方が出てくるケースが非常に多いため、部署単位で取り組む際には事前に意図の説明をしっかりと行う必要があります。
まず1つ、簡単な業務を自動化し「RPAで自動化して少し楽になった」という成功事例を作ることが重要になります。そして成功事例をもとに色々な業務、部署に自動化の波を広げていく、という方法になります。
メリットは1人の従業員、1つの部署だけではなく全社的にRPAによる業務効率化の動きを作ることができる点です。
デメリットは最初の自動化が上手くいかなかった場合、RPAに対する不信感や不満が募ってしまう点になります。
最初の自動化を成功させるポイントとしては「簡単な業務から始める」「ベンダーも含めた綿密な事前打ち合わせをする」などが挙げられます。
RPAを「緊急度(優先順位)は高くないが、重要度の高い仕事」と位置づけ、中長期的な目標をつくって取り組む
- メリット:IT化、DX化に対応できる基盤づくりができる
- デメリット:自動化実現までに時間がかかる
RPAは今手動で行っている業務を代わりに行ってくれるツールになります。
その為RPAを導入しなくても今の業務に支障が出ないという意味では緊急度が低い事案になるかと思われます。
一方で、IT化やDX化が進む中、今と同じままで競争優位性を保つのは簡単ではなく、「IT化に対応できる仕組みづくりが必要」という意味では重要度は高いと考えられます。
RPAを導入するメリットとして「業務フローが整う(1本化される)」「データでの管理が基本になる」があります。
これらはRPAに限らず様々なITツールを導入する際の前提条件となります。
したがってRPAを導入することでIT化、DX化に対応しやすい環境が整うというメリットが得られることになります。
進め方としては定期的に時間を決めて取り組むので、自動化実現までの期間も長くなります。
RPA導入の流れによる、メリット・デメリットのまとめ
RPA作成担当者だけでなく、実際に使用する方や自動化によって業務が変わる方に対して、方向性の説明等を事前にしっかりと行い、周りの理解を得ることも、業務自動化を成功させるためには非常に重要なポイントとなります。
RPA導入の流れは様々あり、会社毎の規模感や自動化したい業務の対象範囲によって、考え方は大きく変わります。
今回はいくつかのパターンをご紹介させて頂きましたが、RPA導入のスタート時に綿密な打ち合わせをすることが1番の自動化成功への鍵になります。
以上、今回はRPA導入の流れによる、メリット・デメリットについてご説明させて頂きました。
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